日本ハム清宮幸太郎内野手が満塁本塁打を含む4安打を放った。ホームランアーチストで、もともとツボがあり、昨年はそれがぼやけてしまうくらい迷いが生じたと思うが、今は「自分が得意にしているここに来たときは」という自信ができてきている。毎回打てるわけではないが、これは野球人生においての武器になってくる。

今季ここまで18本塁打で飛躍の年になっているかもしれないが、私の中では、彼の能力からすると今年の成績はまったく開花した年とは言えない。それくらい、ヤクルト村上選手に肩を並べられるくらい、潜在能力の高い打者だと思っている。

1軍では、自分の得意なところにスーッと何回も投げてくる投手は少ない。三振した6回の打席は相手が完全に崩しに来て、そのまま崩されている。そうではなく、相手が投げ切ったときにボール球を見逃すとか、ファウルで逃げるなども引き出しになる。もっと高いレベルで、相手のエースと言われる投手がいい投球をしたときでも、そこで勝負できるようなイメージをしてほしい。

インパクトゾーンをもっともっと長くすることによって、広角に打てるようになるし、その辺の打撃の追求も必要になる。まだ自分の力を出し切っていない中で今季の成績なので、ポテンシャルはものすごいものがある。来季は開花の年として、30発40発で「4番は俺だ」というくらいアピールしてほしい。(日刊スポーツ評論家)

日本ハム対ロッテ 2回裏日本ハム2死満塁、清宮は右越え満塁本塁打を放つ(撮影・佐藤翔太)
日本ハム対ロッテ 2回裏日本ハム2死満塁、清宮は右越え満塁本塁打を放つ(撮影・佐藤翔太)