セ・リーグはヤクルトが連覇したものの、混戦を極めている。どのチームも大きなカギを握るのが新外国人。大活躍するような選手が2人も出れば、一気に優勝争いの本命になるでしょう。そこで巨人の新外国人にスポットを当てて2日間、視察させてもらった。

野手の新外国人はルイス・ブリンソン外野手(28=ジャイアンツFA)。ウォーカーよりも若干だけ細身なだけで、遠めからみると見分けがつかないぐらいそっくり。ただ、スローイングはまずまずで、ワンバン返球の多かったウォーカーとのキャッチボールでは、はっきりと区別ができた。動きも軽そうで、守備力は問題なさそうに見えた。

バッティングは極端な癖がない。強振して打球に角度をつけて打つホームランバッターではないが、手足が長く、スイングスピードよりも鋭い打球が飛ぶイメージ。前日の練習で中田翔とロングティーをやっていたが、高い放物線で飛ばす中田と比べ、低いライナー系の打球でスタンドイン。手足が長いだけに、外角の落ちる系の変化球を追っかけなければそれなりのアベレージとホームランは残せそうだった。

何よりも感心したのは、7時からのアーリーワークにもウォーカーと一緒に参加。それでもチーム方針もあり、練習もウォーカーとやっていただけに強制的に教育されていると思っていたが、この日はブルペンに1人で来て打席に立ち、目慣らしをしていた。

日本で成功したい気持ちが強くなければ、ここまでやらないだろう。少なくとも「痛い、痛い」を連発してすぐに休もうとしたり、不平不満を漏らして怠慢プレーをするようなタイプではなさそうだった。

投手では左腕のフォスター・グリフィン(27=ブルージェイズ)、先発候補のタイラー・ビーディ(29=パイレーツ)、抑え候補のヨアン・ロペス(30=メッツFA)が好印象。ヨアンデル・メンデス(28=メキシカンリーグ)はやや物足りないが、この3投手は制球力もまずまず。この先、球威はましてくるだろうし、ブルペンで目につくような課題はなかった。

外野手のブリンソンはレギュラーとして活躍してもらわないと困る新外国人。ピッチャーもウォーカーとの兼ね合いになるが、先発に2投手かリリーフにも1人は入ってもらいたいところだろう。今後も注目して見ていきたい。(日刊スポーツ評論家)

そっくり!? 早朝練習に臨む巨人ブリンソン。手前はウォーカー(2023年2月4日撮影)
そっくり!? 早朝練習に臨む巨人ブリンソン。手前はウォーカー(2023年2月4日撮影)
そっくり!? 鬼に豆を降りかける巨人ウォーカー(左)とブリンソン(2023年2月3日撮影)
そっくり!? 鬼に豆を降りかける巨人ウォーカー(左)とブリンソン(2023年2月3日撮影)