日本ハムの新人8選手(育成含む)が13日、北広島市役所で新入団選手発表の記者会見に臨んだ。会見前には23年に開業を予定している新球場「エスコンフィールド北海道」の建設地を訪れ現場を見学。ドラフト1位、苫小牧駒大・伊藤大海投手(23)は背番号「17」に決定し、新球場で投球しているイメージをふくらませながら、17番を永久欠番にするという誓いを立てた。

建設中の新球場を背に意気込む日本ハムの新入団選手たち。前列左から、3位古川、1位伊藤、栗山監督、2位五十幡、4位細川、後列左から5位根本、6位今川、育成1位松本遼、育成2位斉藤(撮影・黒川智章)
建設中の新球場を背に意気込む日本ハムの新入団選手たち。前列左から、3位古川、1位伊藤、栗山監督、2位五十幡、4位細川、後列左から5位根本、6位今川、育成1位松本遼、育成2位斉藤(撮影・黒川智章)

■初代故大社オーナーの「100」だけ

初めて背番号「17」のユニホームを身にまとった伊藤が宣言した。「この番号を誰も付けられないくらいの番号にしたいという気持ち」。18年、初めて大学日本代表に選出された時にも「17」を付けていたこともあり、同番号には愛着がある。誰にも譲らない日本ハムの永久欠番にするべく活躍を期した。

現在、球団の正式な永久欠番は、球団創設に尽力した初代オーナーの故大社義規氏の背番号「100」の1つだけ。選手ではダルビッシュ、大谷と受け継がれてきた「11」は、18年に大谷がメジャー移籍して以降空き番号となり、“半永久欠番”扱いとなっている。ダルビッシュ、大谷級のインパクトを残せば、目標実現も夢ではない。

■17年目で初の道産子ドラ1

17という数字に結びつきもある。伊藤は日本ハムが北海道に移転して「17」年目で、球団初の道産子1位選手となる。「北海道の地で生まれ育った人間として、北海道でまたプレーすることができる、新たな挑戦ができるということをすごくうれしく思う」と喜びを語った。

建設中の新球場のマウンド付近でシャドーピッチングする伊藤(撮影・黒川智章)
建設中の新球場のマウンド付近でシャドーピッチングする伊藤(撮影・黒川智章)

会見で伊藤を紹介した大渕スカウト部長は「ファイターズが北海道に来たのは2004年、その頃伊藤少年は『7歳』でした。ファイターズに憧れ、育った野球選手がドラフト『1位』としてこの場に立っている。まさにファイターズの申し子として活躍を期待せずにはいられません」と期待を寄せた。

この日、会見前には旧島松駅逓所を訪れ、クラーク博士記念碑の前で記念撮影。その後、新球場の建設現場を訪れた。マウンド付近となる場所にも立ち、投球しているイメージもふくらませた。「本当にわくわくする気持ち。ファンの方を魅了できるようなプレーで、23年にプレーする姿を思い浮かべました」。23年にはプロ3年目を迎えている右腕は「主戦投手として、ファイターズで1番の投手であれたら」と将来の未来予想図を思い描いた。【山崎純一】


<日本ハム担当の山崎記者の「純さんぽ」>

ボールパーク建設地周辺を日本ハム担当の山崎記者が歩く「純さんぽ」。今回は、地元の魅力が詰まった焼きたてパンに出会いました。

「しょくぱんとワッフル yukai_pan(ゆかいパン)」では「とくべつの角食」(左奥)のほか、ワッフル(手前)も人気を集めている(撮影・山崎純一)
「しょくぱんとワッフル yukai_pan(ゆかいパン)」では「とくべつの角食」(左奥)のほか、ワッフル(手前)も人気を集めている(撮影・山崎純一)

北広島市内のテナントビル。小さなパン工房から漂う焼きたての香りに誘われた。「しょくぱんとワッフル yukai_pan」。店舗を持たず、予約注文を受けてパン販売を行う。営むのは平山ゆかりさん(50)。毎週火曜日には北広島市役所内で週替わりのサンドイッチやワッフルなどの販売も行っており、市民から人気を集めている。

1番人気の食パン「とくべつの角食」をはじめ、地元北広島の赤毛米を使った酒「久蔵翁(きゅうぞうおう)」の酒かすが生地に練り込まれたパンなど、地産地消のこだわりが詰まった商品が多い。

将来的にはカフェスペースも備えた店を持つのも目標の1つという平山さん。「ボールパークがメインとなって、いろんなことが動いていくんだろうな。これからが楽しみですね」。建設が日々進む様子に夢は膨らんでいる。【山崎純一】