日本人で初めてブロック玩具のレゴ社から、プロビルダーとして認定された三井淳平さん(34)が、北広島市に23年開業予定の日本ハムの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」をレゴで再現した。パーツ1つ1つから準備し、細部にもこだわった力作。まもなくベールを脱ぐ新球場への期待を語った。

レゴブロックで製作された日本ハム新球場のエスコンフィールドHOKKAIDO
レゴブロックで製作された日本ハム新球場のエスコンフィールドHOKKAIDO
日本人で初めてレゴ社からプロビルダーに認定された三井さん(本人提供)
日本人で初めてレゴ社からプロビルダーに認定された三井さん(本人提供)

日本ハム球団からの要望を受けて実現した今回の力作。350分の1サイズの新球場は5万ピースのレゴを組み合わせ、約2カ月かけて制作された。10月に札幌ドームで展示された。「初めの1カ月ほどは資料を読んで、スケッチを描いたり、下準備に当てました」と振り返る。こだわりは設計にパソコンを使わないことで「頭の中でこうしたらこうなるといったように、次の手を考えていく」と話した。

レゴブロックで製作された日本ハム新球場のエスコンフィールドHOKKAIDO
レゴブロックで製作された日本ハム新球場のエスコンフィールドHOKKAIDO
レゴブロックで製作された日本ハム新球場のエスコンフィールドHOKKAIDO
レゴブロックで製作された日本ハム新球場のエスコンフィールドHOKKAIDO

三井さんはテレビ北海道で放送されていた「TVチャンピオン」のレゴ王選手権に3度出場し、デンマークで開催された第2回大会では準優勝の実績もある第一人者だ。11年には日本人初のプロビルダーに認定された。これまでも40分の1サイズの戦艦大和など、大きな作品を数多く手掛けており、球場模型は阪神甲子園球場を作ったことがある。それでも新球場は「屋根も開閉式ですし、左右非対称。見る角度によって見え方が違うのが難しかった」と、独特な設計を表現するのに苦労した。

レゴブロックで製作された日本ハム新球場のエスコンフィールドHOKKAIDO
レゴブロックで製作された日本ハム新球場のエスコンフィールドHOKKAIDO
レゴブロックで製作された日本ハム新球場のエスコンフィールドHOKKAIDO
レゴブロックで製作された日本ハム新球場のエスコンフィールドHOKKAIDO

今回の制作を通じて「グラウンドと観客席がとても近い」と感じた。新球場は、スタンドからフィールドまでの距離が近い、米大リーグ球場を参考に設計されており、日本の球場では最も近くなる。「間近でプレーが見られると思うと楽しみです。左右非対称なので、観戦する上でもいろんな見え方ができて面白そうだと思いました。実際に屋根が動いているところも見てみたいですね」と魅力を語った。

来季からはBIGBOSS新庄剛志監督(49)がチームを率いることになり「兵庫県出身なので、小学生の時は阪神時代の新庄さんのプレーをよく見ていました。いつも何か面白いことをやってくれそうと、期待を持たせてくれる方。監督としてもどんなサプライズをしてくれるのか楽しみです」と心を躍らせている。「新球場で、生でビッグボスを見ることができれば最高です」と23年シーズンを待ち望んだ。【小林憲治】

札幌ドームで行われたイベントで、子供たちにレゴブロックの作り方を指導する三井さん
札幌ドームで行われたイベントで、子供たちにレゴブロックの作り方を指導する三井さん
制作中のボールパーク模型(三井さん提供)
制作中のボールパーク模型(三井さん提供)

◆三井淳平(みつい・じゅんぺい) 1987年(昭62)4月11日生まれ、兵庫県出身。東大工学部卒。幼少期からレゴに熱中。中学生でオリジナル作品を手掛け始める。11年7月にレゴ社から、日本人初となるプロビルダーに認定された。代表作は約20万パーツ、6年4カ月をかけて作製した40分の1サイズの戦艦大和。

株式会社ボーネルンドが球場の屋内に手掛ける遊び場のイメージ図(株式会社ボーネルンド提供)
株式会社ボーネルンドが球場の屋内に手掛ける遊び場のイメージ図(株式会社ボーネルンド提供)

<施設ガイド>

日本ハムの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」に、日本最大級の「遊び場」ができる。全国に18カ所の遊び場を展開している玩具メーカー、ボーネルンド(東京)が球場の屋内外に有料の遊び場を手掛け、親子で遊べる空間づくりを進めている。

総床面積1930m2の広さが特徴の1つだ。現在設計中だが、0歳の赤ちゃんが遊べるゾーンから、動きが活発になる小学校高学年の子どもが遊べる場所など、それぞれの発達に合わせたゾーン分けを見込んでいる。屋外ゾーンでは12~3月ごろにかけて雪を使った遊びも考えられている。もう1つの特徴は「プレイリーダー」と呼ばれる、それぞれ夢中になれる遊びが見つかるようお手伝いをしてくれる「遊びの仕掛け人」が遊び場につくことだ。

同社の村上裕子取締役広報・広告宣伝部長(54)は「お子様1人1人の個性であったり、発達に応えていくことができるのではないか」。新球場を拠点に、北海道全域に遊びを届けることを「すごく楽しみにしています」と胸を膨らませている。【山崎純一】