DeNA山崎憲晴内野手(30)は2軍キャンプ地の沖縄・嘉手納で、ちょうど1年前のあの日を思い出していた。「同じ2月5日で、雨が降って、室内練習。まったく同じシチュエーションで『嫌だな~』って思っていたんです」と顔をしかめた。昨年の2月5日に、同じ状況で左膝前十字靱帯(じんたい)および内側側副靭帯断裂の重傷を負った。地獄のような記憶が、思い出したくもないあの日の記憶が、よみがえってきた。

 あれから1年がたち、1軍が休みでアレックス・ラミレス監督(42)が視察にきたのがちょうど、この日だった。練習終わりには「無事に終わってよかった」と安堵(あんど)の表情を見せた。同監督からは「内野のポジションは全部やっておいてくれ」と言われている。捕手も含めて5つの位置を守れる「スーパーユーティリティー」を武器に出場機会を得る。「もちろんそのつもり。まずは監督に見てもらって、元気なところをアピールしたい」と気合は十分だ。

 負傷の要因の1つは、一昨年オフの体重アップだと自覚している。「明らかに体重を増やして失敗した」。86キロから70キロ台まで落としてキャンプを迎えた。絞り上げた体で「かなり順調。バットをどう使うか勉強した。考える時間はたくさんあったから。今は野球ができている中に充実さがある」。雨降って地固まる。そんな巻き返しの1年にするつもりだ。【DeNA担当=栗田成芳】