プロ10年目の初本塁打は味があった。6月24日巨人戦(東京ドーム)で、中日谷哲也内野手(31)が7回に代打で初アーチを披露した。左中間スタンドギリギリに着弾。ベンチのナインも大喜び。谷は「ナゴヤドームでは入ってないでしょ」と笑った。

 春季キャンプは2軍読谷でスタート。若手に交じり汗を流した。読谷球場のロッカーはベテランと若手に分かれる。谷は荒木らとともにベテラン組のロッカーを使用したが、その中では若手。「朝からおもしろい話をして、荒木さんたちを笑わすことから1日が始まる」と毎日の仕事もあったという。いつもテンポのいいしゃべりが印象的。きっと笑いを取っていたんだろうなと想像できる。

 開幕も2軍スタートだった。なかなか出番がなく「難しいけど、その中でやらないとね」と受け入れた。本職ではないが、ファーストミットを持ち、内野はどこでも守れるよう準備した。少ないチャンスをものにするためだった。

 節目の年に念願の本塁打。ホームランボールはすぐ手元に戻ってきた。「本当に打てないと思っていた。1本打てて良かった。苦労して打てた方がいい」とひとしおだった。まだまだシーズンは続く。背番号70の活躍が楽しみだ。【中日担当=宮崎えり子】