ソフトバンクの若手のウインターリーグ派遣が今年も台湾だけになるかもしれない。

 球団は台湾だけでなく、日本シリーズのメンバーから外れる選手の中から、リーグのレベルに見合う選手がいれば中南米への派遣も検討中。だが、現地の治安や天災の影響が足かせとなっている。

 ベネズエラは国内経済が破綻し、治安も年々悪化。今季はリーグ開催も危ぶまれていた。メキシコでは3度、大地震が起き、3度目はリーグが開催される地域の近くで発生。プエルトリコもハリケーンで全土が停電するなど、ライフラインが止まり、来年1月から規模を縮小してデーゲームで開催予定。過去、ソフトバンクが選手を派遣してきたチームは球場も被害を受け、今季はリーグ不参加が決まった。

 残るドミニカ共和国は、同リーグを開催する4カ国の中で最もレベルが高く、派遣したい選手と現地球団が求める選手のレベルが一致する可能性が低い。球団関係者も「絶対に行かさなきゃいけない訳ではないし、わざわざ危ないところに行かすのもね…」と、本音を打ち明ける。

 昨年は五十嵐、松坂のベテラン勢も志願参加した中南米のウインターリーグ。今年は地球の裏側で武者修行を積む選手の姿は見られるのだろうか…。【ソフトバンク担当 福岡吉央】