日本ハム大谷翔平投手(23)はファンに愛されている。今季本拠地最終戦の10月4日オリックス戦(札幌ドーム)。「4番投手」で先発し、投げては2安打完封勝利を挙げ、打っては1安打をマークした。今オフのメジャー挑戦が確実視されている二刀流の日本ラスト登板になる可能性がある。そんな1戦に、平日にもかかわらず4万人近くが球場に足を運んだ。

 スタンドで背番号11のユニホームを着て声援を送るファンの声を集めてみた。男女、年齢問わず、着用者の多さに驚いた。人気をあらためて感じた。

 札幌市在住の82歳女性は大谷の応援が生き甲斐だという。「ヤンキースに行くのかしら。行ってもらいたい。応援ツアーでニューヨークに見に行く」と意気込んでいた。祈るように手を合わせながら投球を見守る姿が印象的だった。

 車いすに乗る札幌市在住の65歳女性は「ユニホームの右袖にサインをくれた。心遣いが素晴らしい」と語った。ユニホームにサインをもらう際、背中面に書いてもらうケースが多い。体が不自由な女性にとって、大谷の機転を利かせた優しさがうれしく、大切な思い出のようだ。

 札幌市外はもちろん、北海道外から駆けつけたファンもいた。どのファンも寂しさを感じつつも「日本ハムに入団してくれてありがとう」「たくさん感動をもらった」など、感謝の思いを口にしていた。そんな彼らの期待も背負って海を渡り、次は世界中を魅了してくれる日が待ち遠しい。【日本ハム担当=保坂果那】