シンプルながら驚かされた練習法がある。それは阪神大和の「1人ゲッツー」の練習だ。左翼線フェンス付近の壁にボールを投げ、跳ね返ってきたボールを三塁側ファウルフェンスの方に投げつける。その繰り返しで「1人ゲッツー」の練習ができるのだ。「いつから始めたかは覚えてないけど、小さい頃からやっています。ボールと壁があればどこでも練習できるからね」。

 この練習を目撃したのは8月に右脇腹を痛めて、鳴尾浜でリハビリをしていたころ。できる範囲で懸命に練習する姿勢に心打たれた。

 大和は8日に「タイガースも含めて、自分を一番必要としてくれる球団で来季プレーしたい」と国内FA権行使の手続きを行った。野球と向き合う姿勢が若手の手本となっているだけに、流出となればチームとして手痛い。【阪神担当=真柴健】