プロ野球選手のブレイクのポイントは、足もとから!? 11月21日、巨人からドラフト指名された16選手(育成含む)が、ジャイアンツ球場を訪れた。クラブハウスに到着すると、すぐに講義のため室内へ。その際に脱がれた靴が、廊下に一列に並べられていた。真っ白のスニーカーは高校生かな、スリッポンの革靴は大学生かな、と眺めている中、一足の有名革靴ブランドの黒い光沢が際立っていた。おそらく社会人の選手のものだろうと想像しつつ、持ち主の登場を待った。

 「靴が一番きれいだった? ありがとうございます。この時期は結婚式に出席することも増えますので買いました。今日はジャイアンツの施設訪問ということもあるので、これを履いてきたんです」。

 靴の主だったドラフト6位のJX-ENEOS・若林晃弘内野手(24)は、丁寧に理由を説明した。高橋監督と同じ桐蔭学園を卒業後、法大をへて社会人の強豪入り。父憲一さんは大洋(現DeNA)で両打ちの外野手としてプレーと、野球“エリート”とも言える王道を歩んできた。グラウンド外の振る舞いも、しっかり指導されてきたのだろう。スーツから足もとまで全てがきちんとしていたのも、うなずけた。

 1軍で活躍する選手は、靴の手入れもしっかりしている-。勝手な偏見なのは承知だが、そんな“基準”を持っている。両打ちで内外野どこでも守れる即戦力タイプの若林が来季、ぴっかぴかの靴で東京ドームにやって来るのが待ち遠しい。【巨人担当・浜本卓也】