DeNAに新たなムードメーカーが現れた。ドラフト7位の宮本秀明内野手(20)は、下位指名から開幕1軍を勝ち取った。快足を買われて、代走での起用がオープン戦から増えていくと、春季キャンプから1軍のまま開幕を迎えることになった。

 明るいキャラクターから、ベンチでもムードメーカーの一役を担っている。3月17日オリックスとのオープン戦。京セラドームでイニング間に行われた「ラジオ体操」のイベントで、ベンチから飛び出した。筒香から「行け、行け!」と背中を押され、最後までベンチ前でやり切った。ファンの間でキャラクターが知られることになったのは開幕3戦目。横浜スタジアムでのヤクルト戦、ダチョウ倶楽部が5年連続で始球式に登場した。上島竜兵とケンカからのチュウ。この伝統芸能を、チームを代表しやり切った。会場を温められたその日、チームは今季初勝利を収めた。

 イベント後の周囲からの反響は上々だったようで、宮本は「僕、ばかになるのは大丈夫なんです。そういうのは全然やれます。ただ、空気を読みながら、やり過ぎないようにすることは気をつけてます」。ルーキーにして、チームの中で思い切りの良さ、やり切る度胸、前向きな性格を発揮している。

 もちろんそれだけではない。1軍にいる理由は明確にある。50メートル走6秒の快足に、二遊間を守れる守備力を持つ。終盤の追い上げ、守備固めに貴重な戦力の1人。存在感はまだまだこれから増していくに違いない。【DeNA担当 栗田成芳】