日本ハムのドラフト1位清宮幸太郎内野手(18)が、プロ初スイングで初安打デビューを決めた。本拠地札幌ドームでの楽天戦に「6番指名打者」で出場。2回のプロ初打席でエース岸をとらえ、中堅フェンス直撃の二塁打を放った。

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 ラグビーのヤマハ発動機監督を務める父克幸氏が見守る中、プロ初打席で初安打を放った。試合後には「『打ったよ~』と父や応援してくれた人に伝えたい」と、大いに照れながらも、かわいらしく話した。初安打のボールは「(父に)あげます」とほおを緩ませた。1軍デビューを振り返り「楽しめました」。緊張より、むしろ楽しむ。「緊張感はあるんですけど、打席に入るとなくなる」。2万7661人の声援に押されて「ファンの応援が熱くて、ファイターズはだから強いんだなと思いました」と、感激した。

 高校通算111本塁打を誇るスラッガーも、先にのめり込んだのはラグビーだった。4歳の頃から「ワセダクラブ」でプレー。ラグビー界のレジェンドを父に持つ少年は、その恵まれたフィジカルを無邪気に発揮した。当時を知る関係者は「他の子どもたちより、頭一つは大きかった。まだ幼くて、自分が楽しむことに一生懸命。味方にもタックルしてボールを奪い、トライをする。突進して来る幸太郎が怖くて、みんな次々と辞めて行っちゃってね」と苦笑する。スポーツの本質は、楽しむこと。競技が変わっても、本質を、清宮は決して忘れない。【日本ハム担当=中島宙恵】