広島丸佳浩外野手(29)がDeNA9回戦の3回に左中間へ安打を放ち、史上293人目、球団24人目の通算1000安打を達成した。プロ初安打を記録した10年9月21日ヤクルト戦(マツダスタジアム)から1017試合目での大台到達。広島担当・前原淳記者が打撃に集中する環境にこだわる丸の姿を「とっておきメモ」で明かします。

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 バットに残る松ヤニを1枚刃で丁寧に削る作業は、丸の日課だ。わずか数ミリの無駄を省く作業は、打撃を追い求める作業と、どこか似ている。「打撃にゴールはない。毎日、毎日、0・何ミリとか、細かい作業を積み重ねていかないといけない」。打者としてまた1つ、新たな勲章を手にした。

 1軍に定着しつつあった時期に意識が変わった。「こうしておけば良かった、という思いをしたくないんです」。コンディション維持に影響を与える酒やたばこは一切止め、偏った食生活を改善。大の野菜嫌いも克服した。

 どんなに細かくても事前にできることはやっておく。ホワイトアッシュのバットはジュラルミンケースで持ち運び、乾燥状態をキープ。グラブは指先の革を硬くし、白球を取りこぼさない強さを求めた。チームが一括して運ぶヘルメットも自分で持ち運ぶ。「においがつくのが嫌じゃないですか」と毎日スプレーをかけ、無臭をキープ。打撃に集中する環境を自らつくっている。まさに「千打の道も一歩から」と感じる。【広島担当=前原淳】