<巨人2-5ヤクルト>◇24日◇倉敷

 ヤクルト山田哲人内野手(26)が、自身初となる4試合連続の本塁打を放った。巨人戦(倉敷)の3回2死一塁、巨人先発内海のフォークボールを中堅左へ豪快に運ぶ23号2ランを放ち、セ・リーグの本塁打王争いで単独トップに立った。同僚のバレンティン、DeNA筒香と激しく争うキング争い。3度目のトリプル3が視界に入る男が、軽やかにアーチを重ねていく。チームは4連勝で、2位巨人に0・5差と迫った。

 山田哲にとって、倉敷は苦い記憶が刻まれた場所だった。5月22日阪神戦の3回、併殺を狙った二塁送球を2者連続で悪送球をして先制点を許し、3-8で完敗。「完全に僕のミスで負けた」と唇をかみしめた。

 あれから2カ月。試合前練習では二塁守備に精を出すかと思いきや、逆だった。「そこまではやらないですよ。もう思い出したくないじゃないですか」。モットーは「誰かのためにプレーする」こと。「高校の時に思ったんです。親に家を買ってあげたいとか、友人に格好いいところを見せたいとか、甲子園に行きたいとか。喜んでもらえるから」。悲壮感を漂わせて周囲に気を使わせることなく、前向きにプレーするのがスタイル。「僕にできるのは全力プレー。野球には元気になる力があるので感じてもらえたらと」。大きなアーチで、西日本豪雨災害の被害を受けた岡山の野球ファンを喜ばせた。