第100回全国高校野球選手権が5日に開幕する。今大会の一番の注目は、今春センバツ覇者で、史上初の2度目の春夏連覇がかかる大阪桐蔭だ。激戦区の北大阪を制した。戦いの舞台となる甲子園を本拠地とする阪神には、同校OBの現役選手が4人在籍している。そのうちの1人は、高校時代に聖地を経験できなかった。プロ13年目、岩田稔投手(34)だ。

 「自分が投げてたら甲子園いってたんやろな…」。岩田はケガや病気が重なり、高校3年の夏は思うように投げることもできなかった。甲子園出場なし。「もう時間は帰ってこないので。今しかない時間というかそういうのを(後輩の)選手たちには楽しんでほしい。春夏連覇の権利があるのは桐蔭だけなので、それにチャレンジして是非達成してもらいたい」。快挙に挑む後輩に、熱いまなざしを送っている。【阪神担当 古財稜明】