<ソフトバンク4-6オリックス>◇5日◇ヤフオクドーム

 このままズルズルと後退してしまうのだろうか。工藤ホークスが不調オリックスに連敗を喫した。このカード初戦までの13試合で1勝12敗のどん底状態だった猛牛に、カード勝ち越しを許した。これで3カード連続の負け越し。暗雲が垂れ込めてきた。

 試合後、オリックス関係者が言った。「ホークスのベンチは何だかバタバタしていた」。逆転を許すと、中盤以降の継投策で慌てる一塁側ベンチをオリックス側は冷ややかに見ていた。猛牛をたたいて上位浮上のもくろみは吹き飛び、窮地の8月戦線となってしまった。

 先発投手が持ちこたえられず、打線がつながりを欠く。負のスパイラルはシーズンに数度起こりえるが、ベンチまでバタついては腰を据えた戦いはできるはずもない。

 8回、1点を返しなおも1死満塁の場面で遊ゴロ併殺打に倒れたキャプテン内川は「僕が全部悪いんです」と責任を背負い込んだ。初戦は4番復帰で貴重な犠飛を打ち上げたが、ここ2試合は6番で無安打。納得する打撃ができない悔しさ、焦燥感もあるだろうが、頼るべき「主砲」であることには変わりない。

 ピンチをチャンスに変えられるか-。最大の打開策は選手を信用すること。工藤ホークス過去2度の日本一は、12球団NO・1ともいえる選手のポテンシャルの高さで勝ってきた。後半戦に向けて工藤監督は「楽しくやろう」とチームに言った。ナインも忘れてはいないはずだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】