ロッテ福浦和也内野手(42)の通算2000安打達成企画として、9月9日、前ロッテ・サブロー氏(42)と対談をお願いした。かつて背番号「3」と「9」が、いつも並んで歩いていた姿が強く印象に残っていたからだ。

何がきっかけで仲良くなったのか、20年以上前のことで両氏とも覚えていないようだった。ただ福浦は、1学年下に強肩の外野手が入ってきた時のキャンプを記憶していた。

福浦 ルーキーで、センターからバックネット突き刺して肩ごっついなーと思って。それはすごい覚えてる。背番号36つけて。

先輩、後輩ながらいつの間にか親友のような間柄になっていた。

寮でよく一緒にゲームをした話。朝食後に毎回二度寝してしまう遅刻魔の福浦を部屋まで起こしに行った話。立川(東京)や所沢(埼玉)で肝試しすると福浦だけが物おじせずどんどん進んでいってしまう話など、紙面で紹介しきれなかったいろんな思い出話が出た。

夕食を囲みながら、サブロー氏がたびたび繰り返したのが福浦の人柄の良さだった。

サブロー 話しやすいやん、優しいし。先輩やけど先輩ぽくないやん。けんかにならん。何でも許してくれる。わがままきいてくれる。俺が彼女みたい(笑い)。

他の選手たちも「福浦さんのこと悪く言う人はいない」と口をそろえる。対談終了後、帰り際に福浦がぽろっと言った言葉がそれを物語っていた。

「ほんと、俺が2000本近づくたびにみんな言うんだけど。『寂しい』って。うれしい半面みんな寂しいって。逆にファンだけかもしれない。おれがヒット打って喜んでるの」

この人は周りの選手、スタッフみんなに愛されているんだなあと感じた。そしておそらくファンも、2000本という1つの楽しみが節目を迎えることと、もしも引退してしまったらという寂しさを抱えていると思った。来季現役続行の意思を聞いて、ほっとした人が大勢いただろう。

ちなみにこの日、対談前の西武戦で福浦は3年半ぶりのアーチを放った。

「これで通算何本? 118? じゃああと2本いこう」

来季の目標は、通算120本塁打でいいですか? 

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余談ですが、文脈上、どう頑張っても紙面に入れられなかった福浦さんの道具にまつわるエピソードを1つ紹介します。

--バット抱いて寝たりしたことないんですか? 

「しない、しない。あ、でも何年か前の開幕で寝たかなあ。5タコだよ、結果。1回だけやって5タコ。あれ以来、やってない(笑い)」。

貴重な時間を、ありがとうございました。【ロッテ担当 鎌田良美】