<ソフトバンク1-9ロッテ>◇9月30日◇ヤフオクドーム

せっかく日本ハムが獅子の足を止めたのに「王者の意地」は1日で終わってしまった。西武の試合が終わる前に、ソフトバンクはロッテに完敗。北の大地で、西武の10年ぶりのリーグ制覇が決まった。「何としても胴上げ阻止」。合言葉のように敵地・所沢で勝利し、最後の粘りを誓ったはずが、あまりにもあっさりとロッテに敗れた。この瞬間、夢の連覇は霧散した。

V逸の悔しさを募らせるならば、所沢で西武辻監督の胴上げの舞いを目に焼き付けた方がよかったのかもしれない。下位ロッテに敗れ、いつの間にやら「ああ終戦」より、レオブルーに染まった敵地で悔しさを肥やしにした方が、よほどCSでの闘争心も倍加するというものだろう。

試合後、工藤監督はミーティングを開いた。敗戦の将はクライマックスでの「下克上」を誓い、ナインを鼓舞した。リーグVがかなわなかったにしても「日本一」への道はまだ続いている。しっかりと気持ちを切り替えることができるだろうか。3位日本ハムとは5ゲーム差。ホークスの2位通過は確実視されるものの、勝負事は何が起きるか分からない。首の皮一枚で逆転Vを目指し続けたように、CS本拠地開幕となる2位確保は絶対条件だ。

「さあ、下克上」と声を上げてもチームの気持ちが1つにならなければ、勝利は望めない。過去、ホークスはプレーオフ、CSで1位以外で勝ち抜いた歴史はない。ある意味、シーズンの戦いよりもシビアな短期決戦。あっさりと敗れ去ったこの日の敗戦を見るにつけ、不安が募ってしまう。【ソフトバンク担当 佐竹英治】