<阪神4-3DeNA>◇6日◇甲子園

阪神ドラフト4位ルーキーの島田海吏外野手(22)が、プロ初のサヨナラ打を放ち、9月12日以来の甲子園勝利を虎党に運んだ。延長10回の劇的打でプロ初打点を記録した。

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あのときに似ていた。島田が打てば歓喜のシャワーが待っている。だが、もし打てなければ…。

上武大3年だった16年7月、苦しんだ先で輝きをつかんだ。「全然ヒットが出なくて…。ここで打たないと(ベンチに)帰れないなって気持ちでした」。

挽回のチャンスは訪れた。2勝2敗で迎えた日米大学野球第5戦。4-4の延長10回1死満塁。それまで17打席連続無安打で大会ノーヒット。「背中を押してもらったので」と思い切ってバットを出すとサヨナラ左犠飛。歓喜のシャワーを浴びてホッとした。

当時の4番はチームメートになった阪神大山。遊撃には中日京田がいた。学年こそ1つ違うが、ドラフト1位のレベルを痛感した。「あの大会がプロを目指す指標のひとつになった。プロの最初のレベルを知れた場所だったと思います」。勝負強さを見せる背番号53が、虎のラッキーボーイになるかもしれない。【阪神担当=真柴健】