工藤ホークスは「下克上」を誓ってクライマックス・シリーズに向けての練習をスタートさせた。本拠地ヤフオクドームに打球音が響き始めると、王球団会長もグラウンドに姿を見せた。チームは2年ぶりにCSファーストステージからの登場となった。昨年はシーズン94勝を挙げ、ダントツでリーグ制覇。そのままの勢いでCSファイナル、日本シリーズも駆け上がって頂点に立った。過去、「下克上」は達成したことがないホークスだが、さて今年はどうなるのだろうか。

練習を見守っていて少々さびしい気分になった。キャプテン内川の姿がないことだ。「『よし、行けます!』。そう言って来てほしいんだけどねえ」。王球団会長も打撃練習を見つめながら内川不在を気にしているようでもあった。昨年はCSファイナルで4試合連発アーチを放ちMVP。日本シリーズでも第6戦で値千金の同点アーチを放って優秀選手に輝いた。「短期決戦」にこれほど強い男はいない。2日に福岡・筑後市のファーム施設に足を運んだ王球団会長は、室内練習場でマシン打撃に励む内川を激励していた。

今、内川は宮崎でのフェニックス・リーグに参加している。大ケガでの離脱であれば1軍復帰も難しかろうが、好不調が理由であれば、復帰も問題ないと思う。リーグ連覇を逃したチームにとって、目標修正は下克上の「日本一」。2000安打の実績はきっと生きるはずなのだが…。【ソフトバンク担当 佐竹英治】