トライアウトで打者3人に投げ無安打ながらも2四球だった関啓扶氏(2018年11月13日撮影)
トライアウトで打者3人に投げ無安打ながらも2四球だった関啓扶氏(2018年11月13日撮影)

中日で、5年越しで2度ユニホームを脱いだ男がいる。今季まで1軍サブマネジャーを務めた関啓扶(せき・けいすけ)氏(25)だ。

昨年末で球団職員の退職を決め、11月の合同トライアウトに挑戦した。現役時代の62番の中日のユニホームに袖を通し、3人の打者と対戦。打者3人と対戦し、1三振2四球で現役復帰への挑戦を終えた。スタンドには、母享子さん(57)が観戦。父和雄さん(57)も、実家でテレビ観戦し、息子の勇姿を目に焼き付けた。

10年ドラフト5位で三重・菰野高から中日に入団した。しかし。現役3年間で1軍登板なくユニホームを脱いだ。マネジャーとして選手たちと接してきたこともあり、トライアウト挑戦を決意。「両親にもユニホーム姿を見せたかった」と、昨シーズンの空き時間などに投球練習を再開し、調整してきた。トライアウトの結果、社会人とクラブチームからは打診があった。しかし、NPB復帰はかなわなかった。

今後は、当初から決めていた歯科技工士になるために、4月から2年間、名古屋市内の養成学校に通う。「歯の矯正や、マウスピースを作ったりの仕事です。プロ野球選手の歯の治療などを手伝えるようになれれば」と、3年後の歯科技工士デビューを夢見る。マネジャーとして中日ナインのサポートを続けてきた縁の下の力持ち。竜戦士たちを再び支える日を待ちたい。【中日担当 伊東大介】

中日OB総会に出席する2軍サブマネジャー時代の関啓扶氏(2014年11月30日撮影)
中日OB総会に出席する2軍サブマネジャー時代の関啓扶氏(2014年11月30日撮影)