「手術をして完全復活します。ニュー原口が誕生するので、よろしくお願いします」

日本ハム杉谷拳士内野手(27)はLINE(ライン)で送られてきた文面を見て「あいつらしい」と思った。前日24日に大腸がんであることを公表した阪神原口文仁捕手(26)からのメッセージだった。

帝京で1学年後輩のショッキングなニュースを知って驚いた。「知らなかった。言ってくれれば、いいのに…」。すぐに「大丈夫か」とメッセージを送ると、冒頭の返信があった。

「あいつは本当に根性があるんですよ。根は真面目だし、誰からも愛される」

大好きな後輩の1人だ。昨季の交流戦で対戦した際は、一緒にご飯も食べた。高校時代は、埼玉・寄居町にある実家から東京・板橋にある帝京まで、2時間かけて朝練に通っていた後輩の姿は鮮明に覚えている。

「朝7時から朝練なんですけど、あいつは、どう頑張っても7時20分に着くのが精いっぱい。1年生は7時にはいなきゃいけなくて、先輩からいろいろ言われることもあったけど、それでも毎日、頑張っていた。いつも最後まで練習していたのも、あいつ。本当に根性がある。1個下ですし、僕も思い入れがある」

だから、信じている。グラウンドに元気な姿で戻ってくることを-。「とにかく、今は自分の体を大事にしてほしい。しっかり治して、1日でも早く帰ってきてくれることを願っている。みなさん、暗いですよ。あいつ、死んだわけじゃないですからね。あいつは、本当に根性がありますから」。杉谷は、ニュー原口との再会を楽しみにしている。【木下大輔】