ソフトバンクはA組がこの日、キャンプを打ち上げた。雨天のため室内練習場でB組との時差練習。28日打ち上げのB組よりひと足先に柳田選手会長が一本締め。25日間の練習の日々が終了した。振り返れば長いようで短かった。休日は計5日。練習日は20日。期間中は4回の勉強会も行われ、練習時間は短縮された。ケガ防止と体力強化を目的に第2クールまでは多くのランニングメニューが課されたが、中盤以降はなし。ホークスのキャンプに張り付いている他球団のスコアラーは「王者の余裕ですかね」と話したが、総じて練習量は少なかったように思う。

「走塁強化」も大きな目的の1つだった。今後のオープン戦で積極走塁を仕掛けていくのだろうが、柳田、上林らがまだ万全の走塁ができていないだけに、浸透度はぼやけている。リーグV奪回と3年連続日本一が合言葉。この日、手締めを行った柳田も声高らかに円陣でV奪回&日本一を宣言。雪辱の思いは練習量を大きくカバーすることができるだろうか。

26日から宮崎で楽天、西武、ロッテと練習試合が3試合。それぞれの課題を見つめつつ、3月のオープン戦を含めて2019年のチームを形作っていく。工藤監督にとっては契約最終年。過去4年間で2度のリーグVに3度の日本一は何とも輝かしい。5年目の今季、雪辱を果たせば、さらに安定した政権維持となるのだろう。戦績にマイナス要素は見当たらない。

それにしても若手の台頭も待ち遠しい。B組もA組同様、練習量が少なかった。昨オフ、いみじくも長谷川勇が言った。「何のためにプロ野球に入ったのか。何のためにホークスに入ったのか。意識の高い(若い)選手がいない。漠然とやっている選手が多い」。残念ながら同じような感想を持った25日間でもあった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】