プロ野球のクライマックスシリーズが幕を開ける。2年連続のV逸から2年連続の「下克上」を目指すソフトバンクは最終調整を終えた。練習を温かいまなざしで見守ったのは王球団会長だった。3日夜は、工藤監督はじめ、コーチ、選手、スタッフが参加しての「決起集会」で乾杯の音頭を取った。「シーズンは悔しい結果に終わったけど、次のステップに進むだけ。力はある。その力をどうチームの勝利に結びつけるかだと思う」。王会長も焼き肉をつつき、ジョッキ2杯のビールでCSへ向け、気持ちを新たにした。

快音を響かせる打撃練習を見守りながら、王会長の視線はさらに先も見据えていた。「今年はぜひ、やりたいよね。19年ぶりになるのかな? この前は20世紀最後だったね。今までチャンスがありながら(ホークスと巨人の)2つが一緒に(日本シリーズに)出るというのがなかったからね」。期待に胸を膨らませ、笑顔で話したのは巨人との日本シリーズ対決だった。

00年秋。夢が実現した。シリーズでの「ON対決」。王ホークスはリーグ連覇で長嶋巨人に挑んだが、結果は2勝4敗。敵地・東京ドームでスタートした世紀の決戦はホークスが連勝しながら4連敗。球団がシリーズ日程中の福岡ドーム貸し出しを数年前から決めていたという不手際もあってケチもついた。「いろいろあったけど、今年は本当に巨人とシリーズがやりたいね」。古巣巨人と決別し、打倒Gを誓ってホークスのユニホームに袖を通した王会長にとって、達成できなかった「夢」でもある。19年前。敗戦後、王監督はホテルで人知れず悔し涙を流した。令和新時代、また夢の道が始まる。【ソフトバンク担当 佐竹英治】