<ソフトバンク6-1日本ハム>◇26日◇ペイペイドーム

記念の勝利球を王監督から手渡された孫オーナーは満面の笑みだった。球団応援歌を口ずさみ、ドーム球場に響き渡る花火の大音響にさらに興奮度は増した。「一生の記念。本当にうれしかった。最高。ドキドキしながら見ていました。これほど興奮したのは初めてです」。15年前の2005年(平17)3月26日開幕戦。ダイエーからホークスを引き継いだソフトバンク初勝利の瞬間だった。

05年3月26日、ソフトバンクの初勝利を喜ぶ王監督と孫正義オーナー
05年3月26日、ソフトバンクの初勝利を喜ぶ王監督と孫正義オーナー

球団誕生から16年目。この日、ホークスは節目の1200勝を挙げた。1勝目の相手は日本ハム。1点リードされた7回に柴原が左翼へ逆転3ランを運んで白星をたぐり寄せた。1200勝目も同じ日本ハムとなった。ハラハラドキドキの展開ではなく、こちらは「完勝」でメモリアルを飾った。すでにダイエー時代の勝ち星は抜き去り、チームは「常勝」と呼ばれる存在になった。

先発マウンドに上がったのは今も投手陣の主力である和田だった。プロ3年目。エース斉藤の故障で巡ってきた大役だった。初の開幕投手となったが、8回途中136球を投げ1失点で勝利投手となった。柴原の逆転3ランが飛び出したときには目を潤ませた。メジャー移籍もあったが、古巣ホークスに戻っても活躍。プロ18年目の左腕は先発陣の柱として腕を振り続けている。

今季は3年ぶりのリーグV奪回という大目標がある。コロナ禍で異例のシーズンを送っているものの、勝利追求の道に変わりはない。当時はまだ大分・別府の中学生だった今宮がこの日のお立ち台でV宣言していた。球団不変のスローガン「めざせ世界一!」とともに孫オーナーがチームに贈った理念は「清く、正しく、そして強く!」だった。節目の勝利であらためて胸に刻んでおきたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ソフトバンクの年度別成績
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