高卒2年目の阪神小幡竜平内野手(19)が、ブレークの予感を漂わせている。21日にプロ初昇格を果たすと、22日ヤクルト戦(神宮)で守備からプロ初出場。25日中日戦(甲子園)では代走でプロ初盗塁を記録し、27日の同カードではプロ初スタメン。阪神の10代野手の先発出場は12年の中谷以来、8年ぶりの出来事だった。

ブレークへの階段を駆け上がっている若虎小幡の動向を気にかけ、活躍を喜んでいる人物がファームにいる。平田2軍監督だ。昨季は新人だった小幡を、体力づくりと経験を積ませるためにウエスタン・リーグで起用し続けた。

2軍が甲子園でナイターを戦った21日。試合後の取材を終え、同監督にこの日昇格した小幡の話題を振った。すると、興味津々に「(試合に)出たの?」と、逆に質問が返ってきた。この日の出場はなかったが、愛情を持って接して上の舞台へ送り出した小幡に、言葉を送った。

「経験なんでね。いい結果が出せればいいんだけど。そういう空気を味わって、1軍で戦うアピールというところをしてくれればいい」

18年のドラフトで宮崎・延岡学園から2位で指名された内野手。同学年の内野手には、中日根尾や広島小園がいる。ともにドラフト1位の2人には注目度やプロ初出場という点では先を越されたが、1年目に培った経験を今、1軍の大舞台で発揮している。

持ち味の快足に加え、守備では平田2軍監督に「タイガースじゃ守備は小幡が1番うまいよ。(上の選手に)負けない。それをアピールしてほしい」とまで言わせる逸材だ。打撃に力強さが加われば、3拍子そろった楽しみな存在になる。これからの飛躍に、期待は膨らむばかりだ。【奥田隼人】