スポットライトは当たらずとも、キャンプに欠かすことの出来ない縁の下の力持ち。12球団の鍛錬を支える存在を紹介します。
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南国の空の下、新たな持ち場で奮闘している男がいる。昨季限りで現役を引退した日本ハム浦野博司氏(31)。打撃投手として第2の人生をスタートした。「今まで、ずっと自分のためにしか生きてこなかった。いろいろ勉強するところがあるので楽しいです」。地黒な肌にくっきり残るマスク焼け。沖縄・名護キャンプで必死に腕を振っている。
夢か現実か。選択を迫られたのは、昨季終盤だった。16年に負った右肩の壊死(えし)から復帰しても、チームの戦力になれなかった。「もう30歳を越えている。いつまでも野球をやりたいと思うのは当たり前。でも、ファイターズに恩返ししたいという気持ちが勝った」。潔くユニホームを脱ぐと決めた。
引退を決意し、妻に球団スタッフへの転身を伝えると「まだやらないの? という雰囲気が分かった。寂しそうな感じは、読み取れた」。昨年10月の現役最終登板は、妻も現地で見守った。はなむけの舞台を用意してくれた球団。ずっと体調を気にかけてくれた栗山監督-。ファイターズへの恩返しが最優先という思いは、一緒だった。
抑えるのではなく、打たせることが仕事の打撃投手。「自分のためではなく選手のためにやる仕事。周りの人に迷惑を掛けないように」。ストライクが入らなくても思い詰めないように、あらためて割り切ることの大切さを実感。フォームも、疲労が蓄積しない形に修正した。
「選手時代みたいな関係性でいたい。あんまり気を使わず、しゃべりかけてくれるような。コミュニケーションをしっかり取ることで、相手の体調とかもいろいろ見ることができるしね」。現役時代と変わらない優しさで、チームを支えていく。【日本ハム担当 田中彩友美】




