宮崎は雨のバレンタインデーとなった。黄色い声に包まれた甘いチョコを手にソフトバンクの選手たちが顔をほころばせるのが「2・14」の毎年の風景だが、無観客に降りしきる雨…。今年はさびしい1日となった。それにしても2日連続の雨天で、A、B組の時差出勤での室内練習場だけのトレーニング。キャンプ中盤、疲労度もピークで軽めのメニューで体力回復といっても、効率は悪かろう。

15日から紅白戦がスタートし、いよいよ実戦が組み込まれる。これまで積み上げてきた練習の成果が問われることになる。選手たちにとっては「試験」の連続のようで、さらに気が抜けない日々が始まるわけだ。小久保ヘッドコーチが加わり、連日の打ち込み。野手陣の練習量は増え、規律性を重んじる新ヘッドの存在に、選手たちも背中に一本筋が入ったような練習ぶりだが、不安材料がないわけではない。

自慢の投手陣である。キャンプインからエース千賀、東浜、松本がリハビリ調整。先発陣の編成に工藤監督も頭を悩ませていることだろう。3・26開幕にベストな布陣がそろえばいいが、現状では難しい。ムーア、バンデンハークに代わる新外国人レイ、マルティネスの来日もコロナ禍の影響で不透明。最低6人は確保しなければならない先発ローテ投手の選定が急務になってくる。第4クール初日となった13日のブルペンでは泉が159球、杉山も100球以上を投げ込んだ。中継ぎ陣からも先発候補を模索しているのだろう。

今季はシリーズ5連覇がかかる。勝てば勝つほどプレッシャーは重くのしかかってくる。2021年型のチームを形作る上で、まだまだ全体像は見えてこない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】