中日3年目の根尾昂内野手(20)がブレークの兆しを見せている。2月の沖縄キャンプ中の対外試合は8試合に出場、打率3割4分8厘。好成績で3月のオープン戦に突入した。

「出場機会をもらっていて、アピールするだけ。ダメだったら終わりですから」。2日のソフトバンクとのオープン戦初戦で、チーム唯一のタイムリーを放った。根尾の打力向上に1軍戦力として使いたい首脳陣は、今季初めて左翼守備でスタメン出場させていた。

今季は遊撃1本を宣言し、レギュラーの京田に挑んだ。キャンプでは早出、特守と荒木雅博内野守備走塁コーチのノックを受け続けた。元ヤクルト宮本慎也氏(日刊スポーツ評論家)が北谷キャンプを訪れた際には、守備への疑問点を直接ぶつけていた。

根尾が宮本氏に質問したのは、遊撃守備での打球への入り方。逆に宮本氏は、根尾に打球判断をどうしているか、などを逆質問。判断方法、試合前練習での打球判断強化方法などを丁寧に伝えたという。キャンプ終盤には、京田も「一緒にノックを受けていて、球への入り方、球の合わせ方がうまくなっている」と成長を認めていた。

与田監督も転向ではなく、遊撃と外野の併用を強調する。根尾は「僕はショートを狙ってやっていて、首脳陣の判断でそっちに回っている。自分の意思どうのこうのより、チャンスをもらっているので、モノにできるようにするだけです」と言う。宮本氏以外にも、中日で2000安打を達成したOB和田一浩氏(日刊スポーツ評論家)にもアドバイスをもらおうと直撃した。オフは鳥取の「ワールドウィング」で初動負荷トレを行った。1月にはチームの先輩大島の大阪・日本生命の自主トレに初参加し、高橋周らと汗を流した。沖縄キャンプでは、初めて臨時コーチを務めたOB立浪和義氏の打撃指導でバットを振り続けた。根尾は貪欲な姿勢で学んでいる。アドバイスは一朝一夕では形にはならないが、開花が近づいていることを実感する。【中日担当=伊東大介】