<日本ハム2-2ソフトバンク>◇16日◇札幌ドーム

「2死満塁」で、ともに1本が出なかった。9回表裏の攻防。ソフトバンクは今宮が右飛に倒れ、日本ハムは樋口のバットが空を切った。ホークスにとっては今季7度目の引き分け試合。12日のロッテ戦(ペイペイドーム)では2点リードの9回に追いつかれ。ドローとなったが、今回は2点ビハインドを追いついた。勝ちに等しいか、負けに等しいかは、工藤監督の腹の内に収まっているだろうが、負けなかったことはよかったのではないだろうか。

日本ハム対ソフトバンク 試合後、選手を出迎える工藤監督(撮影・黒川智章)
日本ハム対ソフトバンク 試合後、選手を出迎える工藤監督(撮影・黒川智章)

3者凡退は、5番手泉が登板した8回だけ。毎回走者を出しながら2点でとどまったのは日本ハムの拙攻もあるだろうが、投手陣も要所で踏ん張った。

同時に見落としてならないのは「堅い」守備でもあった。2回、先頭石井の二塁へのボテボテの打球に周東が全力でダッシュし、一塁へジャンピングスロー。しっかりアウトを取った。4回1死一塁からの平沼の一、二塁間への強烈な打球も、アウトにした。8回にも、西川の二遊間への打球をさばいた。守備範囲の広さは、自慢の快足もあって今宮以上と言っていい。送球の不安から連日のように本多内野守備走塁コーチのマンツーマン指導を受けてきたが、成果は実りつつある。「負けなかった要因」でもあったように思う。

周東本人は不満だろう。この3試合は11打数無安打。首脳陣が期待するリードオフマンとしての活躍はならなかった。上昇気配を見せていた打撃も、右足に体重を残す新フォームにしてから小休止。だが、チームは7カードぶりに勝ち越した。下を向く必要はない。【ソフトバンク担当=佐竹英治】

周東佑京(2021年2月18日撮影)
周東佑京(2021年2月18日撮影)