<ソフトバンク0-8オリックス>◇9日◇ペイペイドーム

「過去」を振り返ってもむなしさが残るだけだが、この現実はどうしたことだろう。オリックスが首位を快走し、ソフトバンクが借金生活に入ってしまった。

ホークスのセ・パ交流戦前のリーグ最終カードは、ペイペイドームでのオリックス2連戦(5月22、23日)だった。初戦はマルティネス、2戦目は和田が好投し、連勝を飾った。首位をキープしたソフトバンクとは対照的に、オリックスは5・5ゲーム差の5位に低迷していた。あれから約1カ月半…。立場は逆転した。

交流戦後の初顔合わせ。4本のアーチを放つなど8得点の猛牛打線に対し、ホークス打線はオリックス山本を攻略できない。6回まで毎回走者を出したが、ホームは遠かった。終わってみれば完封リレーで首位オリックスとのゲーム差は5・5に広がった。

9回裏に試合を見つめる小久保ヘッドコーチ(左)と工藤監督(撮影・屋方直哉)
9回裏に試合を見つめる小久保ヘッドコーチ(左)と工藤監督(撮影・屋方直哉)

五輪中断前の最終6連戦の初戦。「鷹の祭典」で、チームは赤のユニホームを身にまとった。試合前のグラウンドには、チームと同じ赤のユニホームを着て練習を見守る王球団会長の姿もあった。必勝を求め、チームを奮い立たせたかったのだろう。だが、チームは奮起できなかった。

談笑するソフトバンクの、左から小久保ヘッドコーチ、工藤監督、城島球団会長付特別アドバイザー、王球団会長(撮影・屋方直哉)
談笑するソフトバンクの、左から小久保ヘッドコーチ、工藤監督、城島球団会長付特別アドバイザー、王球団会長(撮影・屋方直哉)

この日から「8回の男」モイネロがチームに合流した。勝利の方程式の一角である頼もしき助っ人左腕の復帰はうれしい限りだが、彼の力の出しどころはあくまでも「必勝パターン」。打線の奮起がなければ、「待機」の日々になる。【ソフトバンク担当 佐竹英治】