新たな職場で奮闘する。オリックス比屋根彰人ブルペン捕手(21)は、昨秋に“捕手転向”したばかり。

「ようやく慣れてきました。もう大丈夫。最初はめっちゃ怖かった…ですね」 捕手経験は「小学校以来。ただ、そのときも投手と捕手だったんで、専門的には…。ほとんどやったことないです」と明かす。

比屋根は飛龍で高校通算36本塁打を放ち、17年育成ドラフト3位でオリックスに入団。18年~20年まで背番号129をつけ、主に一塁、三塁を守った。

「えっ?」

人生最大級の衝撃は昨秋だった。「戦力外通告を受けた日に、選手とは契約しない。ただ、来年からはファームのブルペンを支えてほしいと言われました」。頭にはハテナマークが浮かんだという。「ブルペンということはキャッチャーしかないと思って…。『キャッチャーですか?』と聞くと。『うん』と言われた。おぉおぉ…。お話頂いたので、挑戦を決めました」。

現在は背番号を105に変更し、主にファームを担当している。「(練習が)休みの日に(山本)由伸さんを受けたとき、衝撃的でした。襲いかかってくる感じ。自信を持って、楽しく投げている感じがする」と胸を打たれた。

本格的にブルペン投球を受けているのは「2月から。あの頃に比べて、今の時期は(投手陣)みんな完成してきてる。僕はまだまだ完成してない…。未熟者ですよ」と肩を落とすが「元気と声。声に不調とかないじゃないですか、枯れない限り。選手時代から、それは変わってないかもしれないですね」と前向きに取り組む。異色の“転職”に、必死で生き抜く。【オリックス担当=真柴健】