<ソフトバンク4-2ロッテ>◇22日◇ペイペイドーム

思わぬところから「救世主」は現れるものだ。ソフトバンク笠谷が窮地のチームに大きな白星を呼び込んだ。

2-2の同点で迎えた7回、6番手でマウンドに上がった。先頭藤原を自慢のナックルカーブで空振り三振。続く中村奨はカウント2-2と追い込んで134キロのチェンジアップ。バットは空を切った。4番レアードは投ゴロ。きっちり3人でロッテの「ラッキー7」を封じ込んだ。8回も3人で締め2回パーフェクト投球。6回まで3者凡退に抑えたのは4回の1度だけ。終盤で崩れ連敗を喫した「負の流れ」をピシャリと断ち切り、松田の決勝2点打で白星を手にした。

「1軍に残してもらって。(登板の)間隔があいたので自分にプレッシャーをかけて。緊張感を持って投げたのがよかった」。1軍マウンドは5月27日の中日戦(バンテリンドーム)以来、約3カ月ぶり。後半戦スタートから出場登録はされたものの、足踏みの原因も招いていた。7月27日のエキシビションマッチのDeNA戦(ペイペイドーム)で先発登板。5回途中2失点と好投しながら、本塁ベースカバーで左人さし指を負傷。後半戦の先発ローテ入りから漏れてしまった。「みんな頑張っていたし、何とかしたいと思った。0点で抑えられてよかった」。先発調整を続けながらチームに同行。この日、岩崎と入れ替わる形でベンチ入り。25球の圧巻投球でチームに漂い始めた「暗雲」も振り払った。

もちろん、先発ローテ入りの気持ちは忘れていない。後半戦2度の先発マウンドに上がったスチュワートにも負けるつもりはない。「本当ならボクが(先発で)投げて結果を出したかった。これから力になりたい」。7年目のサウスポーは言葉に力を込めた。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ロッテに勝利し、「1、2、3、マッチ!」でヒーローインタビューを締める松田(右)と笠谷(撮影・岩下翔太)
ロッテに勝利し、「1、2、3、マッチ!」でヒーローインタビューを締める松田(右)と笠谷(撮影・岩下翔太)