ヤクルトが15年以来6年ぶり8度目のリーグ優勝を果たした。2年連続最下位からの下克上。高津臣吾監督(52)は、兄貴肌でチームを立て直し、栄光に導いた。

“野球漬け”の日々で勝ち取った。試合に負けても次の日には切り替え。気さくに選手やスタッフへ話しかけた。移動中は常に他球団の試合映像やデータをチェック。次の試合にどう勝つかだけを考え続けてきた。

先発投手陣には基本的には中6日以上の間隔を空けて起用。2年目で9勝を挙げている奥川は10日以上の間隔で、焦らずじっくりと調整をさせ続けた。先発だった田口やスアレスをリリーフに配置転換。ブルペン陣の負担軽減にも力を割いた。伊藤投手コーチは「投手出身の監督なので、非常に投手のことをよく分かってくれた。リリーフにしろ、先発にしろ、疲れはきているというのをよく理解してくれる監督なので、進言はしやすい。(投手が)コンディションを維持しているというのは、監督がよく理解してくれているから」と感謝していた。

状態を見極め、万全の状態でグラウンドに送り出す。高津監督の気配りが、悲願の優勝を呼び寄せた。【ヤクルト担当 湯本勝大】