西武の秋季練習が行われる埼玉・所沢のカーミニークフィールドに、ライブ会場となったメットライフドームから爆音が流れてきた。最寄り駅の「西武球場前」駅周辺には、アーティストのグッズを身に着けたファンが人だかりをつくった。日本シリーズ第1戦の20日、シーズン中のユニホーム姿とは違う装いで、球場はにぎわっていた。

もしチームが13年ぶりの日本一を懸けた日本シリーズに出場していても、会場は本拠地・メットライフドームではなかった。チームがAクラス入りしていれば、CSを突破し日本シリーズ出場を決めていれば、というあくまでも“たられば”の話をさせてもらうと、日本シリーズの日程が、今季シーズン中に変更されていた影響で、メットライフドームは使えなかった。では代替会場はというと、ソフトバンクの本拠地であるペイペイドームだったという。

福岡は前身の西鉄、太平洋クラブ、クラウンライター時代の本拠地・平和台野球場があった元ホーム。土地柄は縁のある場所だ。「山賊打線」というネーミングが生まれたのもその頃で、オールドファンはまだまだ多いという。前身を含め、西武の日本シリーズ福岡開催が実現すれば、63年以来58年ぶりだった。ベンチもシーズン中の三塁側ではなく一塁側。かつての本拠地で日本一をかけて戦っていたのかと想像すると、少し興味深かった。

今年は実際にヤクルトが神宮球場ではなく東京ドームで予定している。昨年も巨人は京セラドーム大阪でホーム試合を開催した。コロナ禍での巡り合わせが生み出したイレギュラー。まぼろしの凱旋(がいせん)試合だった。【西武担当=栗田成芳】

ペイペイドーム
ペイペイドーム