ソフトバンク今宮健太内野手(31)の「毒まんじゅう」の行方に注目している。

今宮は11日ロッテ戦で、試合を決める約4カ月ぶりの今季2号本塁打を放った。その際に「多分、忘れんといかんですね。毒まんじゅうなんで。明日どうなるか、楽しみにしていてください」と、不思議なコメントを残した。

今季の今宮は3割前後の打率をキープ。その要因として、大振りすることなく、コンパクトに逆方向を意識した打撃を掲げてきた。本塁打は打ちたいけど、あえて封印する。明豊高時代には高校通算62発を放ち、プロでも過去に4年連続2桁本塁打を記録するなど長打力を持ちながら、現在の好調を維持する打撃スタイルを選んだ。

その後の今宮はどうだろう。翌12日には、好機で右方向への適時打をマーク。場面によって四球を選んだり、単打でつないだりと「2番打者」としての役割に徹しているように見える。むしろ、大敗した14日オリックス戦では3号本塁打を放ったように、求められる場面では1発も狙えるように「進化」したのではないだろうか。

現在のパ・リーグは大混戦。今季は接戦をあまり得意としていないソフトバンクだけに、経験豊富でどんなチーム打撃もこなせる今宮の存在は大きい。「毒まんじゅう」に影響されることなく、いぶし銀の活躍を続けることが、今季の結末を左右するのではないかと思っている。そして、今宮はそれをやり遂げると期待している。【ソフトバンク担当 山本大地】