ソフトバンクはシーズン最終戦までもつれる激闘の末、2年ぶりのリーグ優勝を逃した。苦しかった終盤戦でチームを引っ張ったのが、柳田悠岐外野手(33)、中村晃外野手(32)、今宮健太内野手(31)だった。3人はシーズン最終戦で優勝を決めた14年の戦いを、当時は若手として経験していた。

主将の柳田は首を痛めながら出場し続け、マジック1となってからの最終2試合で連続本塁打。すさまじい気力と集中力を見せたが「僕がもっと打っておけば優勝してた」と悔しさをあらわにした。中村晃は9月24、25日のロッテ戦で2試合連続3ランと存在感を見せた。選手会長の今宮もマジック点灯以降だけで2度の決勝打。今季は大きな離脱なくチームトップ130試合に出場し、キャリアハイの打率2割9分6厘を残した。

日本一を目指し、チームの戦いは続く。ここ数年のポストシーズンでも、この3人が印象に残る活躍を見せている。シーズン2位からの下克上日本一となった18年CS(クライマックスシリーズ)は、西武とのファイナルステージ5試合で1本塁打8打点をマークした柳田がMVPだった。

同じく2位から日本一になった19年は、日本シリーズ進出に王手をかけた西武とのファイナルS第4戦で、今宮がCS史上初の3打席連続本塁打を放ち、MVPをかっさらった。そして20年CSでは、ロッテとの戦いで、中村晃が第2戦に自身初の2打席連続本塁打を放ってMVPとなり、チームを日本シリーズに導いた。

ソフトバンクはCS、日本シリーズで20年まで16連勝中。ポストシーズンの戦い方を知る男たちが、下克上への道を照らす。【ソフトバンク担当=山本大地】