巨人小林誠司が珍しく表情をこわばらせた。少々のやんちゃっぽい一面もあり、常に前向きな男が“背水”を覚悟した。11月30日の契約交渉で現状維持の1億円で更改。来季は4年契約の4年目になる。

小林 僕自身、大変申し訳ないという気持ちでもあります。なかなかチームに貢献できなかった。本当に悔しい思いがあるので、来シーズンは何とか年齢も重ねてきてますし、相当少ないチャンスかもしれないけど、やっている以上はレギュラーを狙いながら頑張りたいと思う。来年は本当に死に物狂いでやらないといけないなという思いです。

■申し訳ない

■悔しい

■死に物狂い

自ら口にした3つのフレーズは逆襲への産声となるのか。

主力として複数年契約を結びながらも出場機会はレギュラーには届かず、チームは4位でBクラスに沈んだ。60試合に出場し、打率1割4分8厘。昨季の9分3厘からは改善したものの、満足のいく数字にはほど遠い。

今オフは古巣の社会人野球の日本生命で自主トレを行う。「やらないといけないことはたくさんある。やっぱり打たないといけないですし、打つためには練習もしないといけない。振る量もそうだし、必死にもがき苦しみながらやらないといけないなと思います」と言った。

後輩から慕われ、ベンチでは大声を張り上げて味方を鼓舞する。グラウンド外での貢献度は高い。だから、もっとグラウンドでの活躍が見たいし、期待したくもなる。振る力はある。捉えれば柵越えまで持って行くパンチ力もある。「やらないといけない立場なので。後もないですし。そういう自分にもっともっと厳しく、厳しい練習になるんじゃないかなと思います」とキャリアをかけて挑む覚悟を示した。

「本当にリーグ優勝したいし、日本一になりたい。何とかチームに貢献できるように、たくさんの人に喜んでもらえるように自分自身、頑張りたいと思います」。小林が打てば、小林が躍動すれば、チームはおのずと盛り上がる。