その体は春季キャンプの頃より、一回り大きくなった。巨人の育成右腕・京本真投手(19)が伸び盛りを迎えている。16日の西武2軍との試合では自己最速となる150キロの直球を連発した。

「けがの功名かもしれませんね」と言う。春季キャンプ途中で肩にわずかな違和感が出て、シーズンインはリハビリ班で迎えた。思うように投げられない時間が成長を加速させた。課題だったフィジカル強化に集中。3軍の杉内コーチ、矢貫コーチとも話し合い、今できることに向き合った。

体重は春季キャンプから約4キロ増の88キロに。トレーニングから水分を小まめに摂取するよう意識し、食事も見直した。体のどこが張っているのかも感じ、鍛える箇所も考えた。筋肉量は増した。投げる球も力強くなった。

振り返れば、過去にも投げられない時期を、成長の肥やしにしてきた。明豊(大分)では2年夏の甲子園交流試合は肩の故障で投げられなかったが、秋には復調し、エースとしてチームをけん引。3年春の甲子園では準優勝に導いた。「自分は高校の時もけがをして良くなったんです。それが何でかって言われたら、他の人が投げてる姿を見ると、やっぱり悔しい気持ちになる。その反骨心がやっぱり大きいのかな」。気持ちの強さも京本の魅力だ。

今季は球速155キロの到達を目標にする。育成ドラフト7位で入団した189センチの右腕。さらなる大きな成長曲線を描いていく気配が漂う。【巨人担当 上田悠太】