<ソフトバンク2-4西武>◇26日◇みずほペイペイドーム

優勝が決定しても気を抜くことなく戦っていたが、ソフトバンクが痛い逆転負けを喫した。土壇場9回にオスナが3失点。先発有原の白星も消えた。4年ぶりにV奪回したとはいえ、シーズンを終えれば、CS(クライマックス・シリーズ)が待つ。サドンデスの短期決戦。戦術、戦略を練るためにも、残り6試合に消化ゲームはない。なかなか調子の上がってこない守護神オスナはやはり心配である。「抑え」に不安が残るようでは首脳陣も頭が痛い。約3週間の時間で、何とか形を整えたいところだ。

話題を変えたい。優勝を決めた23日のオリックス戦(京セラドーム大阪)。V奪回の喜びもさることながら、5番DHで先発出場した中村晃の働きには心が震えた。初回に先制の右前タイムリー。4回には先頭打者で左前打を放って逆転3得点の起点となった。さらに2点をリードした5回だ。無死一、二塁から送りバントのサインが出た。初球こそファウルにしたが1ボール後の3球目。きっちりと投前に犠打を決めた。中村晃にとって今季初犠打だった。開幕から「代打の切り札」として起用されてきた。一振りにかける男にこれまで送りバントのサインが出るはずもない。優勝を決めるハラハラドキドキの展開で、背番号「7」はしっかりと仕事を果たした。この回3得点。勝負は決まった。本拠地練習ではバント練習を欠かしたことはない。出番が少なくても「準備」は怠ることはなかった。「(送りバントは)今年初めてだったので緊張しました」と中村晃は言った。ベンチで見守っていたバントの名手・今宮も気持ちを揺さぶられていた。「僕もバントのサインが久々に出るだけでも緊張する。でも、晃(中村)さんは、しっかり決めた。すごいし、みんなが絶対に得点につなげると思っていたはず。だから3点入ったでしょ」。7点目の適時二塁打を放った9番川村も「晃さんは集中力がすごいと思った」とベテランの姿に自らも奮い立った。

頼れる男の姿をナインはしっかり見ていた。CSでもその存在感は揺るがないはずだ。

ソフトバンク対西武 悩む小久保監督(撮影・鬼束羽瑠菜)
ソフトバンク対西武 悩む小久保監督(撮影・鬼束羽瑠菜)