「金の卵に刮目(かつもく)せよ」と題し、プレミア12に出場する各国の注目株を紹介する。第1回は台湾ラウンドで対戦する3カ国。

   ◇  ◇

侍ジャパンが第1ラウンドで対戦するのはベネズエラ、プエルトリコ、台湾の3カ国。侍打線は、ソフトバンク千賀に匹敵あるいはそれ以上の速い球を持つ投手と対決することになりそうだ。

<ベネズエラ>

通算2524奪三振を記録し「キング」の異名を取るフェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)、2度のサイ・ヤング賞に輝いたヨハン・サンタナ(元メッツ)らメジャー屈指の投手を数多く輩出した投手王国。今回の代表メンバーには、メジャー経験豊富なベテランと、MLB球団傘下のマイナーに所属する有望株の投手が名を連ねている。

12年4月、ホワイトソックス戦で力投するレッドソックスのドゥブロン(ロイター)
12年4月、ホワイトソックス戦で力投するレッドソックスのドゥブロン(ロイター)

メジャー通算31勝の元レッドソックス左腕フェリックス・ドゥブロン(32)はレ軍時代は先発とリリーフの両方で活躍し、今季はメキシカンリーグで先発として健在ぶりを発揮。マーリンズなどで6年プレーし13年にはノーヒッターを達成している右腕ヘンダーソン・アルバレス(29)も、今季はナショナルズ傘下3Aからメキシカンリーグに移り好成績を残している。

若い有望株では、インディアンス傘下3Aに所属する右腕アージェニス・アングロ(25)はコントロールに不安があるものの158キロの速球を持ち高い奪三振率を誇る。レイズ傘下2Aの右腕ヨンレイダー・サリナス(24)は201センチの長身から最速159キロの速球を投げ込んでくる本格派。18年に外野から投手に転向したパイレーツ傘下3Aの左腕エルビス・エスコバル(25)や、メッツ傘下2Aの右腕イェイゾ・カンポス(23)、ロイヤルズ傘下2Aの右腕アンドレス・ソティレット(22)も153キロ前後の速球を持つ。ベネズエラは野手投手合わせ9人のメジャー経験者と若手有望株が合体し、全体的にバランスの取れたチーム構成になっている。

14年11月、西武の南郷秋季キャンプでシート打撃に登板したメヒア
14年11月、西武の南郷秋季キャンプでシート打撃に登板したメヒア

<プエルトリコ>

メジャー経験者は少ないが、投手は5人の左腕を含んだ総勢14人をそろえ、母国や独立リーグで活躍するベテランが多い。メジャー経験者では15年にインディアンスでプレーした左腕ジオバニ・ソト(28)、レッドソックスなどで7年プレーした右腕フェルナンド・カブレラ(37)がおり、15年に西武でプレーした右腕ミゲル・メヒア(31)もいる。

<台湾>

10月にレッドソックスと契約し158キロの速球を持つ劉致榮(20)が大会3日前に腕の違和感で出場を辞退したが、今年8月に初先発初勝利を挙げたオリックス張奕投手(25)やロッテ陳冠宇投手(29)らがそろう。(つづく)【水次祥子、山下翔悟】