ソフトバンク西田哲朗内野手(29)が11年間のプロ野球生活に区切りを付け、現役引退を決断した。チームが日本一を決めた翌日の11月26日に戦力外を伝えられ、その時点で引退の覚悟を固めていた。「日本一の球団でプレーして、いい経験ができた。ここで戦力外になったら、ユニホームを脱ごうと決めていました」。関係者へのあいさつ回りなどをしながら、次のステップに進む準備を始めた。

18年10月、CSファイナルを突破し祝勝会でインタビューを受ける西田
18年10月、CSファイナルを突破し祝勝会でインタビューを受ける西田

「いろんな企業の方と話をさせてもらったり、いい時間を過ごせた。野球界で仕事をするのか、世間に出ていってチャレンジするのか、すごく考え抜いた2~3週間でした」。ソフトバンクから球団職員の打診を受けたが、即決せず外の世界に触れる時間を設けた。

西田の年度別成績
西田の年度別成績

最終的には、球団職員として広報担当を務めることに決めた。「ホークスという球団が好きですし、プロ野球で11年間やらせてもらって、違う視点から見てみたいと思いました。恩返し、まずはそこからです」。17年オフに楽天からトレードで移籍。試合前の円陣などでのトーク術がファンの間でも話題になり、人気を集めた。コミュニケーション能力の高さは、球団内でも高く評価されている。「自分のキャラを引き出してくれたのも、周りの選手だったり、広報の方がアピールしてくれたから」。今度はその役割をつないでいく番。「自分らしさを消さずに、ファンの方に野球の面白さや選手のすごさを伝えられたら」。

第2の野球人生に進む上で、信念がある。「まずは与えられた職を全力でこなして、いち社会人として自覚を持った行動をしたい。チャレンジ精神をいつまでも忘れたらダメですし、チャレンジに対してしっかり行動したい」。2球団での経験を生かして、リスタートを切る。【山本大地】(この項おわり)

20年ソフトバンク退団選手(※は育成)
20年ソフトバンク退団選手(※は育成)