「馬場ブーム」を起こしたれ-。8日の現役ドラフトで阪神から巨人への移籍が決まった阪神馬場皐輔投手と、とりとめのない話をしたのは今年の春季キャンプでした。

岡田彰布監督の就任に伴い、阪神には馬場敏史内野守備走塁コーチが就任。球団には他に元選手で職員の馬場哲也氏がいます。馬場という名字が1球団にこんなにそろうのもめずらしいと言えばめずらしい。

そこに加え、昨年8月に女子ゴルフ・馬場咲希が全米女子アマチュアゴルフ選手権で優勝。175センチを超える長身でもあり“日本でもっとも有名な馬場”と言えるジャイアント馬場に重ね合わせ、ちょっとしたブームが起こったものです。

そんなこともあり、2軍のうるまキャンプで顔を合わせた馬場と「馬場ブームを起こしたらいい」などと雑談したのです。

もちろん、こちらが勝手に感じたことで馬場自身はきょとんとしていました。それでも「頑張らないといけないのは間違いない。起こせたらいいですね」と笑顔を見せてくれました。

このオフ。甲子園球場の駐車場で馬場投手がクルマを出すときに道を譲ったら、後日、大阪市内で行われた祝勝会で会った際に近寄ってきて「先日はすみませんでした」とあいさつするほど実直な人柄です。

そんな馬場が巨人とは。そもそも阪神から巨人への移籍自体がめずらしい。「伝統の一戦」を戦う両球団、特に阪神からの移籍は国内選手に限れば、現在、阪神の2軍ファームバッテリーコーチを務める野村克則氏しか自分の記憶にはありません。

しかも「馬場」です。プロレス界のレジェンドで99年にこの世を去ったジャイアント馬場は元巨人投手・馬場正平です。東京本社の記録部に聞けば、巨人の長い歴史で馬場姓の選手は馬場正平以外にいません。今回、阪神から移籍する馬場がG馬場以来の「巨人馬場」なのです。

投手層の厚い阪神では、目立った活躍はできなかった馬場ですが巨人は望んで迎えるはず。岡田監督も「誰か選ばなしゃあない。巨人の方がチャンスあるかも分からんもんな。はっきり言うて。今のこっちの投手陣と比べたらなあ。おおん」と話しました。

先発か中継ぎかはともかく、来季、阪神戦で登板してきたら思わず応援してしまうかも。新天地で頑張ってほしいと思います。【編集委員・高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「高原のねごと」)