くろっ! 「今年初お目見え」の阪神岡田彰布監督を見た印象はそれでした。ルーキーの合同自主トレが始まった9日。鳴尾浜にお邪魔して、その見た目に少々、驚いたのです。
年明けに家族とともに南半球、オーストラリアに渡り、1週間、のんびりと休養。その成果? で、まさにこんがりとした様子になっていたのです。
「こんな季節にそんな焼け方しているなんて。まさにセレブやないですか」
そんな話をしてみると岡田監督は笑いながら、こう言いました。
「オレ、ひ弱ちゃうもん」
少々、かみ合わない会話になったものの、英気を養った雰囲気は醸し出していました。
面白かったのは虎番キャップから「ルーキーたちの面構えを見て?」という質問が出たときのこと。監督はこう答えました。
「あ~。白いな。えらい白う感じたな」
自分が日焼けしていることもあってか、若者たちが妙に色白に映ったのかなどと思ったり。
最近は男子も美肌が重要だと言います。昨年のキャンプ、宜野座に練習試合をしにきた韓国サムスンの選手たちがみんな、顔面にびっしりと日焼け止めを塗っていたのを思い出します。
あちらは色白もイケメンの要素と聞きますが、最近では日本の若者もそんな感じになっているような気もします。化粧している男の子もたまに見るし。
だけどプロ野球の世界で「白いな」と言うのは、正直、褒め言葉ではありません。もちろんこの日の監督はそういうつもりで言ったわけではないでしょうが、やはり野球選手は練習で日焼けし、真っ黒になっているのがいいというのが共通認識でしょう。
もっともレギュラーはナイターだし、ドームでの試合も増えているのでシーズンに入ると日焼けはなくなるのですが。
いずれにせよ、2月になってキャンプが始まれば、みんな黒くなるのは間違いない。故障したり、体調を崩したりしなければ、そうなるのです。
ここは岡田監督の強調した通り、ケガをせず、元気に真っ黒になってルーキーだけでなくナインみんなが開幕を迎え、そして連覇に向かってほしい。そんなことを思った鳴尾浜球場でした。【編集委員・高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「高原のねごと」)