今年の夏は、早く、暑くなるそうだ。
長期予報を伝えるテレビの気象予報士は、屋外でのイベントは開催時期を早めることも検討することを呼びかけていた。
近年、夏の甲子園大会の主催者は、酷暑対策として新しい運営方法を次々に打ち出した。17年には決勝の開始時刻を午後2時に繰り下げ、18年からは試合途中に給水時間を設定。20年からは黒が定番だったスパイクの白の使用が認められ、23年からは5回終了時に選手が休息を取れる「クーリングタイム」を新設。さらにベンチ入りメンバーを2人増やして20人にした。昨年からは午前と夕刻に試合を分けて行う「朝夕2部制」を導入。さらに今年の開会式は午後4時開始、第1試合は同5時半プレーボールとなる。
あの手この手で酷暑に立ち向かう中、議論、検討がなされているのが7回制。1試合につき30~40分の時間短縮が可能だという。障害予防にも役立つ。2月には、今秋に滋賀県で開かれる国民スポーツ大会(国スポ)で硬式、軟式どもに7回制を導入することが発表された。「検討」から「決定」にあっという間に進む近年の改革のスピード感を思えば、早々と春夏甲子園にも導入されるのでは、と思っていたが、事はそう簡単には運ばない。現場の拒否反応は強烈だ。
延長タイブレークなどいろいろな制度改革を受け入れてきた現場だが、高校野球の本質がいよいよ変わってしまうという危機感があるのだろう。8、9回に球児が見せる驚異的な粘りや、最終盤に代打や代走で起用された控え選手が劇的な活躍を見せたりもする。そういったものを大事に思う感覚が、高校野球100年の歴史を支えてきた。だが、酷暑対策は待ったなしのときを迎えている。グラウンドに立つ選手、観客、応援団、試合を運営する関係者への有事を主催者は心配する。7回制の検討も、高校野球をなんとか次の100年につなぐ一環だ。
7回制が採用される今秋の国スポが、甲子園大会への採用につながるのか。7回制に踏みきる前に、もっとやるべきことがあるという結論になるのだろうか。【堀まどか】




