今年5月で41歳になる左腕・能見篤史がまたブルペンに入った。「5勤」で行われた宜野座キャンプ第1クール5日目、つまり最終日だ。実に5日連続の投球練習。この日投げた100球を合わせ、5日間で計439球になったという。5日連続でブルペン入りしたのは能見だけだ。

高校野球の球数制限で知られるように最近では「肩は消耗品」という考えが主流だ。試合はもちろん、練習でもそれほど球数は投げないのが普通。それに逆行するような行動ともいえる。

「投げないとダメな体なんでね。ずっとそうやってきたんで。以前は(キャンプを通して)1500球以上は投げろというノルマもあったし。自然とそういう体になっています。(体の)張りはありますけどね」

中年太りにほど遠いその姿を見て思い出した。ここで1つ“訂正”を。昨年9月6日のこのコラムで「能見は野菜を食べない」と書いた。ネットでは読めるので確認をどうぞ。

翌日、球団関係者から「食べないんじゃなく最後に食べるということじゃないですか?」と突っ込まれた。そういうつもりで書いたのだが確かにあのコラムだけなら、まるで野菜を食べないという風に読めなくもない。なのでもう1度…。

ダイエットの常識として最近は「野菜、肉、そして炭水化物」の順番で摂取すると太りにくいとされる。だが「普通に生活しているだけで痩せていく」という能見は逆の順番。沖縄でも「脂っこいものから食べてますわ」と笑う。

普通の中年にはマネできない、してはいけない(?)行いかも…だが野球、仕事に戻れば、その考え方、行動は勉強になる。

「年がいくほどしんどいことをやらなあかんので。守りに入るだけじゃ弱っていくから。活性させてあげないと。自分を追い込むリスクなんてないですよ。リスクって考えるからこわいだけなんで」

第一線でやる以上、年齢を重ねるほど、若いとき以上に厳しい鍛錬を自分に課していく必要があるということだ。選ばれた素材をもった人物の言うことではあるが“金言”だろう。

「彼は言わないだろうけどそういう姿を周囲に見せている気もします」。指揮官・矢野燿大はそう言った。厳しく、楽しく、自主性を持って。難しいが日本一を目指す矢野体制2年目、まずは順調な滑り出しだ。(敬称略)