「0-3」「0-3」って東京の局番ちゃうで。ホンマ。なんぼ東京ヤクルト相手やから言うて。などとぼやきたくなる連敗だ。これでヤクルト相手には開幕2、3戦目の京セラドーム大阪から「ホーム4試合連続0点負け」。せっかくのGW、甲子園を埋めた虎党もがっかりだろう。

最近では懐かしい「巨人戦燃え尽き症候群」という言葉も頭に浮かんでくる。先週末、東京ドームで巨人相手に3連勝。最下位に陥っているチーム状況の課題は山のようにあるのだが、とりあえずG倒に成功したことで燃え尽きてしまったかのようだ。

冷静に見れば“糸井不在”は大きく響いている。最後、代打の準備はしていたが、結局、この2試合で出番はなかった。指揮官・矢野燿大は前日に「コンディションがちょっと整っていないんで」という言い方をしたが、故障とまではいかないにしても万全には遠いのだろう。

もともと今年41歳を迎えるベテランにそこまで期待していいのかという状況だったのは間違いない。早期の復帰を願うのはもちろんだが、それにしても、そういうときこそ若い選手たちの奮起を見たいのだが。マルテもいないのだし。

序盤の攻撃で「こら、あかんな」と思った虎党も多いだろう。1、2、3回と先頭打者は出るものの得点にできない。3番・佐藤輝明、4番・大山悠輔は2試合連続で無安打。“日替わり”のようになっている5番打者、この日は中野拓夢だったが打線にどうにも迫力が感じられない。

今更だが、いくら怪物級の存在である佐藤輝といえども、プロ2年目の選手にもっとも期待している現状も厳しい。「大山の4番」もシーズン当初は違っていたし、顔ぶれから考えて他にいないから座っていると言わざるを得ない状況だ。

そうは言ってもファームに目を向けてみても、現状、1軍で打てそうな選手は見当たらないし「こどもの日」を迎えるに当たって窮状を救ってくれるような“虎の子ども”の名前はなかなか出てこない。

3回の攻撃などせめて足を絡めて…とも思ったがなかなか踏ん切りもつかないのだろう。「こういう試合でね。オレ自身も悔しいし」。矢野は虎番キャップたちの取材にそう漏らしたようだ。勝敗もそうだがGWの思い出になるような試合をしてほしい。首脳陣、ナインの奮起を期待する。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)