「まあ、明日勝たなあかんわな」。連勝が「9」で止まった前日、そう話した指揮官・岡田彰布だったが連敗となった。先発・伊藤将司が「球が高かった」と反省した内容で5回4失点で敗戦投手に。打っては併殺が3つも出た。

これで阪神の併殺は「27」。リーグ最少ではあるが、それだけに一気に3つは厳しい。これは4月26日巨人戦(甲子園)に並ぶ今季ワーストだ。1回はノイジーの三振ゲッツー。3回に佐藤輝明、4回に木浪聖也がそれぞれ併殺打だ。1死一塁などすべて安打を期待される場面だったが併殺が目立つのは、やはり今季らしくない。

「つながらんもん。昨日もそやけど。ズルズルいきそうな負けやで。ただ単なる負けじゃないよな」。切れてしまう打線に岡田も厳しい表情ではあった。

そうは言っても「目も当てられない」という内容ではなかったと思う。1回裏に外崎の当たりを横っ跳びで処理した佐藤輝に7回裏、ネット際の飛球を好捕したノイジーと、守備面ではいいところも。好調ブルペン陣も2番手のK・ケラーから加治屋蓮、そして浜地真澄の3人が6回以降、無失点で粘っていた。

交流戦2カード目は甲子園に戻り、パ・リーグ首位のロッテ戦である。しかし天気予報が心配だ。卓越したグラウンド整備技術で知られる「阪神園芸」が控えるものの、雨が降り続けば試合開催は難しい。

そこで思い出すのが今季の阪神「雨の後は弱い」という前例だ。ここまで雨天中止後の試合結果はこんな感じである。

4月5日広島戦(マツダスタジアム)中止→6日同戦●

同15日DeNA戦(横浜)中止→16日同戦●

同25日巨人戦(甲子園)中止→26日同戦●

5月6、7日広島戦(マツダスタジアム)2試合連続中止→9、10日ヤクルト戦(甲子園)で●●

計5試合の中止が不思議なほど黒星とセットになっている。まさに「水を差される」という感じだ。

さらに「3連敗がない」というのが今季ここまでの売り。チケットを持っていたり、テレビ観戦を楽しみにしていたりという虎党には申し訳ないけれど、もし2日が流れれば、3日ロッテ戦は「雨天後」「連敗後」という、ある意味、今後を占う“正念場”になるかもしれない。まずは2日にゲームができればいいのだけれど-。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

西武対阪神 4回表、ベンチから試合展開を見守る岡田監督(撮影・加藤哉)
西武対阪神 4回表、ベンチから試合展開を見守る岡田監督(撮影・加藤哉)