第97回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の南北海道・札幌地区の組み合わせ抽選会が17日、札幌市内で行われ、6年ぶりの道大会出場を目指す札幌新川は、29日の初戦で北海道文教大明清とぶつかる。

 勝利まで、あと1アウト-。それが、どれだけ大変かを、これほど痛感したチームはない。今春の札幌地区予選代表決定戦。札幌新川は、優勝候補の一角とみられていた札幌日大を相手に、9回2死、「最後」になるはずだった打者を2ストライクまで追い込んで、4-1と勝っていた。その後、死球や押し出し四球などで失点を重ねて、大逆転サヨナラ負け。大金星を、逃した。

 「日大相手に、あそこまでやれて自信にはなった。ただ、14安打して4得点。僕たちは技術的に劣るから、どうしても単打ばかり。決定的な一打が出なかった」と、4番を担っていた石動湧也主将(3年)は、悔やむ。春の大会後、部室に入ってすぐの位置に、この試合のスコアを張り出した。あの時の悔しさを全員が忘れないようにと、一番目につく場所を選んだ。

 前回、南北海道大会に出場した09年は、北海学園札幌、函館大有斗と甲子園出場経験のある私立強豪を撃破し、創部以来、初の4強入りを果たした。「この悔しさを夏にぶつけて、勝ちにこだわりたい」。雪辱を期して、6年前の再現を狙う。【中島宙恵】