十勝地区で昨夏甲子園出場の白樺学園が同地区最長9季連続の代表切符をつかんだ。池田に8-0の7回コールド勝ちで、地区30連勝を飾った。エースで4番で主将の橋本球道(3年)が今夏公式戦で初登板し、3安打6奪三振無失点の好投で勝利を呼び込んだ。

 白樺学園のマウンドは背番号1を背負う橋本に託された。1回先頭に三塁打を浴びていきなりピンチを迎えたが、次打者を捕邪飛で最初のアウトを取ると落ち着きを取り戻した。空振り、見逃しと2者連続三振で断ち切るとペースをつかみ、2回以降は走者を得点圏に進めたのは1度だけ。危なげなく試合を進め、1試合投げ抜いた公式戦で初めて無失点に抑えきった。「自分だけの結果ではなく、チームで無失点に抑えられたのが次につながる」と、喜んだ。

 ベンチ入りする投手陣に経験を積ませるため、今春地区2回戦以来の登板となった。「春とは違う。代表決定戦なので独特の雰囲気だった」。緊張感が漂う中でのマウンドだった。エースを打線がもり立てた。3回に先制の2ランを放った5番岡田拓己一塁手(3年)、本塁打が出ればサイクル安打達成の3安打を放った3番牧海斗中堅手(2年)らが躍動。岡田は「野手が助けてやろうと思った。何とか1点目と思っていた」。心優しき仲間の援護を受け、投球に集中できた。

 大会前に頼もしい2人の先輩からエールを受けた。昨夏甲子園で登板した前エース河村説人(亜大1年)と中野祐一郎(法大1年)が練習に加わり、打撃投手を務めた。河村から「お前たちの代で楽しんでやれよ」と声を掛けられた。2年連続の聖地をかけた最後の夏。重圧が和らいだ。

 「十勝の雄」として新記録を樹立した。13年秋から十勝地区で負けなしの30連勝。9季連続の代表は、87年春~89年夏まで道大会に出場した帯広北の8季連続を更新した。橋本は「(北大会出場校は)簡単に勝てる相手ではないけど、自分たちの野球をすれば勝てる」と旭川スタルヒンに乗り込む。名前の由来は水島新司氏の人気野球漫画「球道くん」。背番号1を背負う大黒柱が先頭に立ち、北北海道連覇を目指す。【保坂果那】